是贞亲王家歌会时作
文屋康秀
山风合成岚[202]
山间风起尽荒乱
萧萧草木残
[原文]
吹くからに秋の草木のしほるればむべ山風を嵐といふらむ
〔250〕
秋至草木衰
遥看浪花朵朵开
不知秋已来
[原文]
草も木も色かはれどもわたつうみの波の花にぞ秋なかりける
〔251〕
秋日歌会时作
纪淑望[203]
常磐山上树常青
不见红叶可听风
风起秋意浓
[原文]
紅葉せぬときはの山は吹く風の音にや秋を聞きわたるらむ
〔252〕
无题
佚名
鸣雁声声雾茫茫
片冈[204]朝原[205]上
树树着红妆
[原文]
霧たちて雁ぞ鳴くなる片岡の朝の原は紅葉しぬらむ
〔253〕
十月雨未落
神备山林[206]似不觉
草木尽染寒秋色
[原文]
神無月時雨もいまだ降らなくにかねてうつろふ神奈備の森
〔254〕
神备山间秋叶红
劝君莫恋秋叶容
易衰难经风
[原文]
ちはやぶる神奈備山のもみぢ葉に思ひはかけじ移ろふものを
〔255〕
贞观[207]帝时,绫绮殿[208]前植梅树,树枝旁逸,西侧先红,殿上人皆咏之,吾亦作此以歌
藤原胜臣[209]
同树不同色
唯有西枝红胜火
疑秋来西侧
[原文]
おなじ枝をわきて木の葉のうつろふは西こそ秋の始めなりけれ
〔256〕
谒石山寺[210]时赏音羽山红叶
纪贯之
今日起秋风
音羽山峰枝叶中
深红映浅红
[原文]
秋風の吹きにし日より音羽山峰のこずゑも色づきにけり
〔257〕
是贞亲王家歌会时作
藤原敏行
白露色本白
怎把层林染
且染得色彩斑斓
[原文]
白露の色はひとつをいかにして秋の木の葉をちぢに染むらむ
〔258〕
壬生忠岑
秋夜露珠垂
哀雁泣红泪
染得原野叶如醉
[原文]
秋の夜の露をば露と置きながら雁の涙や野辺を染むらむ
〔259〕
无题
佚名
秋露色多变
洒遍山林一片片
树叶尽斑斓
[原文]
秋の露色々ことに置けばこそ山の木の葉のちくさなるらめ
〔260〕
于守山[211]之旁歌
纪贯之
时雨携白露
落向林叶最底处
叶叶丹色涂
[原文]
白露も時雨もいたくもる山は下葉のこらず色づきにけり
〔261〕
秋歌
在原元方
笠取山[212]戴笠
雨落难着地
草木缘何染秋意
[原文]
雨降れど露ももらじを笠取の山はいかでかもみぢ染めけむ
〔262〕
谒神社时看葛叶红遍
纪贯之
斋垣[213]葛叶得神佑
依旧不敌瑟瑟秋
一时红添翠收
[原文]
ちはやぶる神の斎垣にはふ葛も秋にはあへずうつろひにけり
〔263〕
是贞亲王家歌会时作
壬生忠岑
雨透笠取山
林叶经雨已红遍
灼灼映衣衫
[原文]
雨降れば笠取山のもみぢ葉はゆきかふ人の袖さへぞ照る
〔264〕
宽平帝时后宫歌会时作
佚名
红叶尚未落
心中已恻恻
此时叶色最奇绝
[原文]
散らねどもかねてぞ惜しきもみぢ葉は今は限りの色と見つれば
〔265〕
去往大和国[214]时见佐保山[215]大雾
纪友则
秋叶似锦为谁红
佐保山间雾朦胧
掩尽秋山容
[原文]
誰がための錦なればか秋霧の佐保の山べを立ちかくすらむ
〔266〕
是贞亲王家歌会时作
佚名
但祈今朝开雾帐
佐保山上栎叶黄
遥遥亦可望
[原文]
秋霧は今朝はな立ちそ佐保山のははその紅葉よそにても見む
〔267〕
秋歌
坂上是则[216]
秋来佐保山
栎叶才黄色尚浅
怎耐深秋寒
[原文]
佐保山のははその色はうすけれど秋は深くもなりにけるかな
〔268〕
赠菊与人栽植前庭时歌
在原业平
种菊庭院前
秋来花开秋去残
花残根不残
[原文]
植ゑし植ゑば秋なき時や咲かざらむ花こそ散らめ根さへ枯れめや
〔269〕
宽平帝时咏菊
藤原敏行
芳菊满秋殿
素萼金英光华转
仿若云间星璀璨
[原文]
久方の雲のうへにて見る菊は天つ星とぞあやまたれける
〔270〕
是贞亲王家歌会时作
纪友则
菊花和露摘
斜簪鬓边作发钗
愿人长久秋长在
[原文]
露ながら折りてかざさむ菊の花老いせぬ秋のひさしかるべく
〔271〕
宽平帝时后宫歌会上作
大江千里
种菊待花开
不料瑟瑟秋风来
转瞬花颜衰
[原文]
植ゑしとき花まちどほにありし菊うつろふ秋にあはむとや見し
〔272〕
宇多天皇时设菊花会,洲滨遍植菊花,菊满吹上滨[217],是故作歌咏之
菅原道真[218]
吹上滨间风吹上
白菊迎风频摇漾
翻飞似白浪
[原文]
秋風の吹きあげにたてる白菊は花かあらぬか波の寄するか
〔273〕
分拂菊花过仙宫
素性法师
菊露湿衣衫
留驻仙山待衣干
人间已千年
[原文]
濡れてほす山路の菊の露のまにいつか千年を我は経にけむ
〔274〕
菊下待人归
纪友则
菊下待人归
花自摇摇风自吹
恍如远人白袖飞
[原文]
花見つつ人まつときは白妙の袖かとのみぞあやまたれける
〔275〕
种菊大泽池[219]
纪友则
秋菊水边斜
照影水中花
疑是花从池底发
[原文]
ひともとと思ひし菊を大沢の池の底にも誰か植ゑけむ
〔276〕
感人生无常时赏菊而作
纪贯之
秋菊吐芬芳
折得一枝插头上
花未落尽人无常
[原文]
秋の菊にほふ限りはかざしてむ花よりさきと知らぬわか身を
〔277〕
咏白菊
凡河内躬恒
花上结初霜
疑是白菊凝冷光
欲折未折心彷徨
[原文]
心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花
〔278〕
是贞亲王家歌会时作
佚名
秋菊逢霜添风华[220]
金蕊泛流霞
一年似开两度花
[原文]
色かはる秋の菊をば一年にふたたびにほふ花とこそ見れ
〔279〕
仁和寺[221]奉菊御前时附歌献上
平贞文
秋末花期尽
菊花朵朵色转深
孤瘦亦喜人
[原文]
秋をおきて時こそありけれ菊の花移ろふからに色のまされば
〔280〕
移植别家菊花时歌
纪贯之
璨璨菊花开
今日移家栽
别添一段艳色来
[原文]
咲きそめし屋戸しかはれば菊の花色さへにこそ移ろひにけれ
〔281〕
无题
佚名
佐保山上秋已深
夜乘月影赏栎林
唯恐叶落尽
[原文]
佐保山のははその紅葉散りぬべみ夜さへ見よと照らす月影
〔282〕
赋闲隐居山里歌
藤原关雄[222]
深山有红叶
默默长在深沟壑
未见日光即凋落
[原文]
奥山の岩垣紅葉散りぬべし照る日の光見る時なくて
〔283〕
无题
佚名[223]
龙田川[224]上飘红叶
密密似绫罗
涉足河中如裂帛
[原文]
龍田河紅葉みだれて流るめりわたらば錦なかや絶えなむ
〔284〕
神备山上秋
雨打红叶随水流
龙田川上荡悠悠
[原文]
龍田河もみぢ葉ながる神奈備の三室の山に時雨降るらし
〔285〕
红叶满地不忍看
乞教山风怜
莫将叶吹散
[原文]
恋しくは見てもしのばむもみぢ葉を吹きな散らしそ山おろしの風
〔286〕
红叶舞秋风
不知何处是归程
哀哀叹飘零
[原文]
秋風にあへず散りぬるもみぢ葉のゆくへさだめぬ我ぞかなしき
〔287〕
秋意满庭院
红叶飘飞小径掩
无人来访心寂然
[原文]
秋はきぬ紅葉は屋戸にふりしきぬ道ふみわけてとふ人はなし
〔288〕
纵有红叶落满径
难挡殷勤故人情
拂叶过前庭
[原文]
ふみわけてさらにやとはむもみぢ葉のふりかくしてし道と見ながら
〔289〕
寂寂山间夜
溶溶一片秋空月
闲闲数红叶
[原文]
秋の月山辺さやかに照らせるは落つる紅葉のかずを見よとか
〔290〕
秋风吹落叶
深红浅黄舞婀娜
疑是风有色
[原文]
吹く風の色のちくさに見えつるは秋の木の葉の散ればなりけり
〔291〕
藤原关雄
红叶织锦缎
霜露横斜添斑斓
散去锦缎黯
[原文]
霜のたて露のぬきこそ弱からし山の錦の織ればかつ散る
〔292〕
于云林院林荫下少驻而歌
僧正遍昭
踽踽独行客
时雨瓢泼树下躲
雨打红叶落
[原文]
わび人のわきて立ち寄る木のもとは頼む蔭なく紅葉散りけり
〔293〕
二条皇后尚住东宫御息所时,为屏风上龙田河红叶漂流图题歌
素性法师
秋叶落御沟
红深逐水流
流到河口红波皱
[原文]
もみぢ葉の流れてとまる水門には紅深き波や立つらむ
〔294〕
在原业平
叶落龙田河水红
宛如丹霞铺千顷
瑰奇胜仙境
[原文]
ちはやぶる神世もきかず龍田河韓紅に水くくるとは
〔295〕
是贞亲王家歌会时作
藤原敏行
暗部山色暗
树树秋叶舞零乱
来路已难辨
[原文]
わが来つる方も知られずくらぶ山木々の木の葉の散るとまがふに
〔296〕
壬生忠岑
神备三室山[225]
深秋红叶织锦缎
悠然身上穿
[原文]
神奈備の三室の山を秋ゆけば錦たちきる心地こそすれ
〔297〕
北山[226]摘红叶时歌
纪贯之
深山秋叶红
无人来赏自枯荣
如锦空置夜色中
[原文]
見る人もなくて散りぬる奥山の紅葉は夜の錦なりけり
〔298〕
秋歌
兼览王
龙田姬[227]行过
诸神纷纷奉币帛
飘入人间成秋叶
[原文]
龍田姫手向くる神のあればこそ秋の木の葉のぬさと散るらめ
〔299〕
居于小野[228]时赏红叶歌
纪贯之
秋叶落纷然
仿佛向神撒供钱
旅居也心安
[原文]
秋の山紅葉をぬさと手向くれば住む我さへぞ旅心地する
〔300〕
过神备山、渡龙田河时见红叶漂流水上而歌
清原深养父
秋神行经神备山
红叶翩飞作纸钱
纷纷入龙田
[原文]
神奈備の山をすぎゆく秋なれば龍田河にぞぬさは手向くる
〔301〕
宽平帝后宫歌会时作
藤原兴风
秋叶逐波流
红叶悠悠白波皱
碧海一渔舟
[原文]
白波に秋の木の葉のうかべるを海人のながせる舟かとぞ見る
〔302〕
龙田河旁
坂上是则
叶落龙田荡悠悠
若无红叶随水流
有谁可知秋
[原文]
もみぢ葉の流れざりせば龍田河水の秋をば誰か知らまし
〔303〕
过志贺山
春道列树[229]
山风堕秋叶
叶积成栅河上隔
水流中断绝
[原文]
山川に風のかけたる柵は流れもあへぬ紅葉なりけり
〔304〕
咏池边红叶
凡河内躬恒
风吹红叶浮水中
梢头红叶水底映
一池深浅红
[原文]
風吹けば落つるもみぢ葉水きよみ散らぬかげさへ底に見えつつ
〔305〕
亭子院屏风上,绘有旅人欲渡河,树下勒马,红叶飘飘之景,故奉上命以此为题作歌
凡河内躬恒
勒马河边望
红叶纷纷如雨降
河高水未涨
[原文]
立ちとまり見てを渡らむもみぢ葉は雨と降るとも水はまさらじ
〔306〕
是贞亲王家歌会时歌
壬生忠岑
山田看稻筑草屋
难啄稻谷鸟儿哭
泪落凝秋露
[原文]
山田もる秋の仮庵に置く露は稲負鳥の涙なりけり
〔307〕
无题
佚名
稻穗尚未出
农人日日守田苦
麻衣沾秋露
[原文]
穂にもいでぬ山田をもると藤衣稲葉の露にぬれぬ日はなし
〔308〕
稻茬发新芽
徒有新芽穗不发
秋尽唯萧飒
[原文]
刈れる田におふるひつちの穂にいでぬは世をいまさらに秋はてぬとか
〔309〕
同僧正遍昭北山采菇
素性法师
采叶藏袖中
出山示于众
告知山中秋正浓
[原文]
もみぢ葉は袖にこきいれてもていでなむ秋は限と見む人のため
〔310〕
宽平帝令集古歌,遂作“龙田河红叶”一歌,并咏此首意旨相同者奉上
藤原兴风
红叶逐水出深山
水色亦被叶色染
方知秋阑珊
[原文]
み山より落ちくる水の色見てぞ秋は限りと思ひ知りぬる
〔311〕
思龙田河秋暮
纪贯之
叶落龙田河
年年河口积红叶
疑是秋停泊
[原文]
年ごとにもみぢ葉流す龍田河水門や秋の泊まりなるらむ
〔312〕
九月末于大堰[230]上歌
纪贯之
日落月色明
鸣鹿声里秋渐浓
小仓山[231]上夜朦胧
[原文]
夕月夜をぐらの山に鳴く鹿の声のうちにや秋は暮るらむ
〔313〕
同于九月末歌
凡河内躬恒
逐秋不畏远
扬起红叶当纸钱
送秋归天边
[原文]
道知らば尋ねもゆかむもみぢ葉をぬさと手向けて秋はいにけり
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