无题
小野小町
思君方入梦
若知相逢在梦境
但愿长眠不复醒
[原文]
思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを
〔553〕
浅睡情思深
可怜梦君只一瞬
犹盼梦中得见君
[原文]
うたた寝に恋しき人を見てしより夢てふものは頼みそめてき
〔554〕
思君情绵绵
为能相逢衣反穿[363]
惟愿梦中见
[原文]
いとせめて恋しき時はうばたまの夜の衣を返してぞ着る
〔555〕
素性法师
不胜秋风寒
入夜盼君卧身畔
情薄身微暖
[原文]
秋風の身に寒ければつれもなき人をぞ頼む暮るる夜ごとに
〔556〕
下出云寺[364]举行故人法事之日,念诵真静法师所言经文之余,书此歌赠予小野小町
安倍清行
袖藏白玉心藏情
思及故人难再逢
玉坠如泪倾
[原文]
包めども袖にたまらぬ白玉は人を見ぬめの涙なりけり
〔557〕
和答
小野小町
知君泪珠盈衣袖
我亦双泪流
滚滚无尽休
[原文]
おろかなる涙ぞ袖に玉はなす我はせきあへずたぎつ瀬なれば
〔558〕
宽平帝后宫歌会时作歌
藤原敏行
思君入梦乡
一梦到君旁
醒后方恨别路长
[原文]
恋ひわびてうち寝るなかに行きかよふ夢の直路はうつつならなむ
〔559〕
住江[365]波拍岸
梦中却亦难相见
必是畏人言
[原文]
住の江の岸に寄る波よるさへや夢の通ひ路人目よくらむ
〔560〕
小野美材
切切思恋心
心如山中草木深
可怜无人问
[原文]
わが恋はみ山がくれの草なれや繁さまされど知る人のなき
〔561〕
纪友则
恋情何焦灼
如同夏夜有飞蛾
奋身来扑火
[原文]
よひの間もはかなく見ゆる夏虫に迷ひまされる恋もするかな
〔562〕
夜来点点萤
恋火不似萤火明
怨君太薄情
[原文]
夕されば蛍よりけに燃ゆれども光見ねばや人のつれなき
〔563〕
霜落竹叶秋风兴
心有所恋难相逢
独寝衣衿冷
[原文]
笹の葉に置く霜よりもひとり寝るわが衣手ぞさえまさりける
〔564〕
冬菊生篱墙
只缘恋心如火旺
消融菊上霜
[原文]
わが屋戸の菊の垣根に置く霜の消えかへりてぞ恋しかりける
〔565〕
川流去滔滔
水下玉藻总飘摇
心底情思绕
[原文]
川の瀬になびく玉藻の水隠れて人に知られぬ恋もするかな
〔566〕
壬生忠岑
落雪日色昏
融雪成泥仍有痕
宛若相思心
[原文]
かきくらし降る白雪の下消えに消えて物思ふころにもあるかな
〔567〕
藤原兴风
思君泪滚滚
床湿如海难成寝
身如零标[366]任浮沉
[原文]
君恋ふる涙の床にみちぬればみをつくしとぞ我はなりける
〔568〕
奄奄将殒命
只为期盼一相逢
垂死又复生
[原文]
死ぬる命生きもやするとこころみに玉の緒ばかり逢はむと言はなむ
〔569〕
不堪寂寥欲忘情
无奈梦中又相逢
痴心寄幽梦
[原文]
わびぬればしひて忘れむと思へども夢といふものぞ人頼めなる
〔570〕
佚名
思君朝复暮
痴情难忘心中苦
人间没个安排处
[原文]
わりなくも寝ても覚めても恋しきか心をいづちやらば忘れむ
〔571〕
佚名
深情难排遣
长相思心伤魂断
空余身惘然
[原文]
恋しきにわびて魂まどひなばむなしき骸の名にや残らむ
〔572〕
纪贯之
眼泪已流干
胸中恋火熊熊燃
红衣似烈焰
[原文]
君恋ふる涙しなくは唐衣胸のあたりは色もえなまし
〔573〕
无题
纪贯之
热泪流成川
经冬未冰水潺潺
几点浮沫空泛
[原文]
世とともに流れてぞ行く涙川冬もこほらぬ水泡なりけり
〔574〕
纪贯之
梦君一夜无觅处
莫非梦中有露珠
衣袖湿漉漉
[原文]
夢路にも露や置くらむ夜もすがら通へる袖のひちてかはかぬ
〔575〕
素性法师
梦乡空相逢
忆昨宵忧心如酲
只是一场梦
[原文]
はかなくて夢にも人を見つる夜は朝の床ぞ起き憂かりける
〔576〕
藤原忠房
若非泣不休
何必悄悄拧衣袖
只缘泪长流
[原文]
いつはりの涙なりせば唐衣忍びに袖はしぼらざらまし
〔577〕
大江千里
思君失声哭
衣湿惹人问缘故
只道春雨濡
[原文]
音に泣きてひちにしかども春雨に濡れにし袖と問はばこたへむ
〔578〕
藤原敏行
已非布谷时
却有布谷终夜哭
似解我心苦
[原文]
わがごとくものや悲しき郭公時ぞともなく夜ただなくらむ
〔579〕
纪贯之
山间五月暮
杜鹃凄凄啼高树
似诉思恋苦
[原文]
五月山こずゑを高み郭公なく音空なる恋もするかな
〔580〕
凡河内躬恒
心间秋雾霭
聚散无常态
情苦无依多徘徊
[原文]
秋霧の晴るる時なき心には立ち居のそらも思ほえなくに
〔581〕
清原深养父
凄凄草虫鸣
悲不自胜却吞声
眼泪流心中
[原文]
虫のごと声にたててはなかねども涙のみこそ下に流るれ
〔582〕
是贞亲王家歌会时作
佚名
秋来山间静
独寝聆听鹿哀鸣
相惜何惺惺
[原文]
秋なれば山とよむまで鳴く鹿に我おとらめやひとり寝る夜は
〔583〕
无题
纪贯之
秋野花似锦
万紫千红相映衬
惹起思纷纷
[原文]
秋の野に乱れて咲ける花の色のちくさに物を思ふころかな
〔584〕
凡河内躬恒
秋日独彷徨
风吹稻叶沙沙响
无人诉衷肠
[原文]
ひとりして物を思へば秋の田の稲葉のそよといふ人のなき
〔585〕
清原深养父
哀鸣过云端
一声秋雁一阵寒
思君如秋雁
[原文]
人を思ふ心は雁にあらねども雲居にのみもなきわたるかな
〔586〕
壬生忠岑
瑟瑟秋风里
听得琴音起
声声似诉思君意
[原文]
秋風にかきなす琴のこゑにさへはかなく人の恋しかるらむ
〔587〕
纪贯之
雨后淀[367]水深
淀中积水升一寸
相思重三分
[原文]
真菰刈る淀の沢水雨降ればつねよりことにまさるわが恋
〔588〕
赠大和国之人歌
纪贯之
吉野喜登临
但见山樱色缤纷
一见胜百闻
[原文]
越えぬ間は吉野の山の桜花人づてにのみ聞きわたるかな
〔589〕
三月时听闻知交之女常与他人往来并有情书互赠,故作此歌
纪贯之
心忧风来扰
花叶瑟瑟露摇摇
风起花散了
[原文]
露ならぬ心を花に置きそめて風吹くことに物思ひぞつく
〔590〕
无题
坂上是则
暗部山上樱花落
漫飞千百朵
哪比思恋多
[原文]
わが恋にくらぶの山の桜花間なく散るとも数はまさらじ
〔591〕
宗岳大赖[368]
表面似冷冰
心如冰下水泠泠
不绝思恋情
[原文]
冬川の上はこほれる我なれや下にながれて恋ひわたるらむ
〔592〕
壬生忠岑
水急根难着
浮草随波多起落
似我心忐忑
[原文]
たぎつ瀬に根ざしとどめぬ浮草のうきたる恋も我はするかな
〔593〕
纪友则
夜来脱衣挂身旁
似将郎君挂心上
时时不能忘
[原文]
よひよひに脱ぎてわが寝る狩衣かけて思はぬ時の間もなし
〔594〕
纪友则
欲去东国过佐夜[369]
行至中山[370]又停歇
思君情难绝
[原文]
東路の佐夜の中山なかなかになにしか人を思ひそめけむ
〔595〕
纪友则
夜来思君泪滔滔
泪海空空不生草
恋心多寂寥
[原文]
しきたへの枕のしたに海はあれど人をみるめは生ひずぞありける
〔596〕
纪友则
经年未了情
夜来独寝泪盈盈
沾衣衣成冰
[原文]
年を経て消えぬ思ひはありながら夜の袂はなほこほりけり
〔597〕
纪贯之
恋路非山路
行久路已熟
只怕情迷不知处
[原文]
わが恋は知らぬ山路にあらなくに迷ふ心ぞわびしかりける
〔598〕
纪贯之
滚滚如堤溃
涔涔湿衣袂
沾上红衣如血泪
[原文]
紅のふりいでつつ泣く涙には袂のみこそ色まさりけれ
〔599〕
纪贯之
泣泪白玉珠
只因长年相思苦
白玉渗血污
[原文]
白玉と見えし涙も年経れば韓紅に移ろひにけり
〔600〕
凡河内躬恒
人言夏虫愚
以身伺火亦不惧
痴心枉付与
[原文]
夏虫をなにかいひけむ心から我も思ひに燃えぬべらなり
〔601〕
壬生忠岑
高峰笼浮云
风过云断终散尽
似君无定心
[原文]
風吹けば峰にわかるる白雲の絶えてつれなき君が心か
〔602〕
壬生忠岑
吾身若能化月影
楚楚哀怜生
无情人儿也寄情
[原文]
月影にわが身をかふるものならばつれなき人もあはれとや見む
〔603〕
清原深养父
我若为君死
君必遭人言
推说无常也枉然
[原文]
恋ひ死なば誰が名はたたじ世の中のつねなきものと言ひはなすとも
〔604〕
纪贯之
津国难波[371]水草肥
郁郁生芦苇
解我恋心知有谁
[原文]
津の国の難波の葦のめもはるに繁きわが恋人知るらめや
〔605〕
白檀弓[372]悬起
经年欲触亦难及
夜长辗转怎将息
[原文]
手も触れで月日経にける白檀弓起きふし夜はいこそねられね
〔606〕
思君心寂寂
怨怀难遣空叹息
此情自知悉
[原文]
人知れぬ思ひのみこそわびしけれわが歎きをば我のみぞ知る
〔607〕
纪友则
水无濑[373]无音
却在河底潜流深
恋情埋于心
[原文]
言にいでて言はぬばかりぞ水無瀬河下にかよひて恋しきものを
〔608〕
凡河内躬恒
思君情痴痴
梦中又是见君时
但愿君有知
[原文]
君をのみ思ひ寝に寝し夢なればわが心から見つるなりけり
〔609〕
壬生忠岑
世人皆惜命
我惜梦中一相逢
好梦未尽人已醒
[原文]
命にもまさりて惜しくあるものは見はてぬ夢の覚むるなりけり
〔610〕
春道列树
梓弓[374]可拉紧
奈何伊人不可亲
夜来思愈深
[原文]
梓弓ひけば本末わが方によるこそまされ恋の心は
〔611〕
凡河内躬恒
一旦思情起
哪顾得南北东西
但求两相依
[原文]
わが恋はゆくへも知らずはてもなし逢ふを限と思ふばかりぞ
〔612〕
凡河内躬恒
思极幽恨生
纵是牵牛织女星
一年只得一相逢
[原文]
我のみぞ悲しかりける彦星も逢はですぐせる年しなければ
〔613〕
清原深养父
恋君思情浓
垂死若许一相逢
或可救此生
[原文]
今ははや恋ひ死なましをあひ見むと頼めしことぞ命なりける
〔614〕
凡河内躬恒
此情已经年
誓约犹在伊人远
情深无怨言
[原文]
頼めつつ逢はで年経るいつはりに懲りぬ心を人は知らなむ
〔615〕
纪友则
命如露珠转瞬空
何妨拱手送
但求一相逢
[原文]
命やはなにぞは露のあだものを逢ふにしかへば惜しからなくに
聚合中文网 阅读好时光 www.juhezwn.com
小提示:漏章、缺章、错字过多试试导航栏右上角的源