无意中得见五条后[415]宫殿西侧所住之人,与之相交一月十日有余,忽然不知所踪,后虽打听到其住所,却未通一言。翌年春,于一梅花盛放、月光皎洁之夜,追忆往昔,又行至其旧居,门窗大开,横卧屋内,直至月光西斜
在原业平
月非昔时月
春非去年春
唯我犹是旧日身
[原文]
月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身ひとつはもとの身にして
〔748〕
无题
藤原仲平
芒草摇摇向人伸
不管情爱有多深
出穗结与人
[原文]
花すすき我こそ下に思ひしか穂にいでて人に結ばれにけり[416]
〔749〕
藤原兼辅
既已惹人言
何不蹚渡音羽川
索性共缠绵
[原文]
よそにのみ聞かましものを音羽河渡るとなしに水馴れそめけむ
〔750〕
凡河内躬恒
若有人心如我真
纵知相思多幽恨
亦愿付情深
[原文]
わがごとく我を思はむ人もがなさてもや憂きと世をこころみむ
〔751〕
在原元方
虽非天上人
遥遥不可近
相思相望难相亲
[原文]
久方の天つ空にも住まなくに人はよそにぞ思ふべらなる
〔752〕
佚名
莫非是我太痴缠
才别又盼重相见
惹君生厌倦
[原文]
見てもまたまたも見まくのほしければ馴るるを人は厭ふべらなり
〔753〕
纪友则
风和云轻淡
朝来晴好天
可惜彼此两相厌
[原文]
雲もなくなきたるあさの我なれやいとはれてのみ世をはへぬらむ
〔754〕
佚名
花筐眼儿密密排
君旁佳人去又来
定将我忘怀
[原文]
花筐めならぶ人のあまたあれば忘られぬらむ数ならぬ身は
〔755〕
佚名
浦上海草渔人采
我空垂泪徒伤怀
不见有人来
[原文]
浮き海布のみ生ひて流るる浦なれば刈りにのみこそ海人は寄るらめ
〔756〕
伊势
思君泪盈盈
湿袖映月影
月儿解我一腔情
[原文]
あひにあひて物思ふころのわが袖に宿る月さへ濡るる顔なる
〔757〕
佚名
金秋未至白露生
浅睡还惊醒
枕手泪淋淋
[原文]
秋ならで置く白露は寝覚めするわが手枕のしづくなりけり
〔758〕
烧盐渔夫穿粗衣
针脚太宽不紧密
犹如我与你
[原文]
須磨の海人の塩焼衣筬をあらみ間遠にあれや君が来まさぬ
〔759〕
水绕山城回
嫩菰割尽人未归
令我心惴惴
[原文]
山城の淀の若菰かりにだに来ぬ人頼む我ぞはかなき
〔760〕
久别心黯然
君情浅似水无川
独我空牵念
[原文]
あひ見ねば恋こそまされ水無瀬河なにに深めて思ひそめけむ
〔761〕
晓鹬搔羽千百回
整夜计数待君归
一数一伤悲
[原文]
暁の鴫の羽がき百羽がき君が来ぬ夜は我ぞかずかく
〔762〕
蔓草根叶断
音信全无君不见
风亦不为传
[原文]
玉かづら今は絶ゆとや吹く風の音にも人の聞こえざるらむ
〔763〕
袖染秋雨痕
缘君嫌厌起愁心
愁心催秋深
[原文]
わが袖にまだき時雨の降りぬるは君が心に秋や来ぬらむ
〔764〕
山井清浅思情浓
可恨君去太匆匆
恰如井中影
[原文]
山の井の浅き心も思はぬを影ばかりのみ人の見ゆらむ
〔765〕
早知如此难相逢
当初应采忘草[417]种
或可忘忧情
[原文]
忘れ草種とらましを逢ふことのいとかくかたきものと知りせば
〔766〕
思君情难了
梦中相见也遥遥
只缘梦路长忘草
[原文]
恋ふれども逢ふ夜のなきは忘れ草夢路にさへや生ひしげるらむ
〔767〕
思君夜无眠
纵使梦中也难见
或已绝情缘
[原文]
夢にだに逢ふことかたくなりゆくは我や寝を寝ぬ人や忘るる
〔768〕
兼芸法师
有梦唐土[418]咫尺间
无梦无思情意浅
咫尺天涯远
[原文]
唐土も夢に見しかば近かりき思はぬなかぞはるけかりける
〔769〕
贞登
檐下一老妇
孤寂独守旧家屋
忍草一簇簇
[原文]
ひとりのみながめふるやのつまなれば人を忍ぶの草ぞ生ひける
〔770〕
僧正遍昭
庭院荒草深
掩没小径侍无心
痴情犹待薄情人
[原文]
わが屋戸は道もなきまで荒れにけりつれなき人を待つとせし間に
〔771〕
僧正遍昭
晨起方分开
才别又盼君归来
蝉鸣声声哀
[原文]
いま来むと言ひて別れし朝より思ひくらしの音をのみぞなく
〔772〕
佚名
纵知君不来
蝉鸣声里独徘徊
望断残阳痴相待
[原文]
来めやとは思ふものから蜩の鳴く夕暮は立ち待たれつつ
〔773〕
纵知君不归
蜘蛛牵丝衣上垂[419]
聊可慰伤悲
[原文]
いましはとわびにしものをささがにの衣にかかり我を頼むる
〔774〕
明知今日君不来
转瞬又忘怀
痴痴空等待
[原文]
今は来じと思ふものから忘れつつ待たるることのまだもやまぬか
〔775〕
朗朗月夜惹期盼
莫如风雨断痴念
我也好入眠
[原文]
月夜には来ぬ人待たるかき曇り雨も降らなむわびつつも寝む
〔776〕
别时方播种
秋田收尽犹伶仃
晨起忽闻初雁鸣
[原文]
植ゑていにし秋田刈るまで見え来ねば今朝初雁の音にぞなきぬる
〔777〕
日暮秋风吟
重重寂寥吹不尽
犹待不归人
[原文]
来ぬ人を待つ夕暮の秋風はいかに吹けばかわびしかるらむ
〔778〕
别君日已久
望尽住江水悠悠
古松知我愁
[原文]
久しくもなりにけるかな住の江の松はくるしきものにぞありける
〔779〕
兼览王
年年只空等
住江古松最知情
苇鹤日日为我鸣
[原文]
住の江の松ほとひさになりぬれはあしたつのねになかぬ日はなし
〔780〕
曾与仲平朝臣[420]相知,后渐疏远,今得知其将随父[421]赴任大和守,故咏此以赠
伊势
三轮山[422]上年复年
日日不来日日盼
此去心黯然
[原文]
三輪の山いかに待ち見む年経ともたづぬる人もあらじと思へば
〔781〕
无题
云林院亲王[423]
寒风舞凌乱
秋野瑟瑟萩花残
似人心易变
[原文]
吹きまよふ野風をさむみ秋萩の移りもゆくか人の心の
〔782〕
小野小町
秋来木叶残
凄雨打湿旧衣衫
人老遭冷眼
[原文]
今はとてわが身時雨にふりぬれば言の葉さへに移ろひにけり
〔783〕
答歌
小野贞树
我心并非树上叶
纵是秋萧瑟
岂能随风落
[原文]
人を思ふ心の木の葉にあらばこそ風のまにまに散りも乱れめ
〔784〕
业平朝臣与纪有常之女结为夫妇,因生嫌隙,暂时昼回夜出,女作此歌以讽
君若天上云
飘然不可近
纵得相近也难亲
[原文]
天雲のよそにも人のなりゆくかさすがにめには見ゆるものから
〔785〕
答歌
在原业平
行云飘无依
我身也是不由己
只缘山风疾
[原文]
ゆきかへりそらにのみしてふることはわがゐる山の風はやみなり
〔786〕
无题
景式王
我如罗衣贴君身
欲脱虽不忍
却已无恋心
[原文]
唐衣馴れな身にこそまつはれめかけてのみやは恋ひむと思ひし
〔787〕
纪友则
秋风虽萧瑟
岂能穿体过
君心何以竟零落
[原文]
秋風は身をわけてしも吹かなくに人の心の空になるらむ
〔788〕
源宗于
渐行渐远情渐薄
秋天未到叶欲落
谁守旧时约
[原文]
つれもなくなりゆく人の言の葉ぞ秋よりさきの紅葉なりける
〔789〕
曾是有情之人,病中却不来探视,病愈之后姗姗而来,故作此歌
兵卫
垂死又回还
薄情如你尚安然
我又怎会赴黄泉
[原文]
死出の山麓を見てぞ帰りにしつらき人よりまづ越えじとて
〔790〕
曾经相知之人渐行渐远,故取烧焦茅叶,并附此歌以赠
小野小町之姊
茅草已枯落
思情绵绵难断绝
熊熊如野火
[原文]
時すぎてかれゆく小野の浅茅には今は思ひぞ絶えずもえける
〔791〕
思绪纷繁之际,外出途中见野火熊熊,故作此歌
伊势
我身如枯野
冬火熊熊烧不绝
逢春又着新绿色
[原文]
冬枯れの野辺とわが身を思ひせばもえても春を待たましものを
〔792〕
无题
纪友则
我身如水泡
欲灭复又生
岂能是无依无凭
[原文]
水の泡の消えてうき身といひながら流れてなほも頼まるるかな
〔793〕
佚名
虽云“水无川”
并非无水流
不舍我者或许有
[原文]
水無瀬河ありてゆく水なくはこそつひにわが身を絶えぬと思はめ
〔794〕
凡河内躬恒
吉野川水无止歇
奈何郎君情转薄
难舍旧时约
[原文]
吉野河よしや人こそつらからめはやく言ひてし言は忘れじ
〔795〕
佚名
世间何斑斓
人心似色染
颜色易褪心易变
[原文]
世の中の人の心は花染めの移ろひやすき色にぞありける
〔796〕
佚名
人心实可恶
如今心变神无主
何必有当初
[原文]
心こそうたてにくけれ染めざらば移ろふことも惜しからましや
〔797〕
小野小町
颜色已改变
外表却是看不见
只缘花开在心田
[原文]
色見えで移ろふものは世の中の人の心の花にぞありける
〔798〕
佚名
君心如花易凋零
留我独伤情
泣啼如黄莺
[原文]
我のみや世を鶯となきわびむ人の心の花と散りなば
〔799〕
素性法师
思君难阻君去远
惜花怎奈花易残
好景从来短
[原文]
思ふとも離れなむ人をいかがせむ飽かず散りぬる花とこそ見め
〔800〕
佚名
昔日一为别
独看庭花开复谢
都是思君时节
[原文]
今はとて君が離れなばわがやどの花をばひとり見てや偲ばむ
〔801〕
源宗于
心生忘草方忘人
愿霜覆君心
忘草皆枯尽
[原文]
忘れ草枯れもやするとつれもなき人の心に霜は置かなむ
〔802〕
宽平帝时,奉命题歌于屏风之上,故咏而书之
素性法师
忘草何葱茏
情意转瞬空
郎心恰似忘草种
[原文]
忘れ草なにをか種と思ひしはつれなき人の心なりけり
〔803〕
无题
兼芸法师
秋田稻累累
郎生嫌厌去不回
割稻遣伤悲
[原文]
秋の田のいねてふ言もかけなくに何を憂しとか人のかるらむ
〔804〕
纪贯之
秋来雁哀啼
郎心易变生厌弃
余我空悲戚
[原文]
初雁の鳴きこそわたれ世の中の人の心の秋し憂ければ
〔805〕
佚名
思君已成痴
时喜时悲难自持
时有泪不止
[原文]
あはれとも憂しとも物を思ふときなどか涙のいと流るらむ
〔806〕
人世多忧烦
此命欲绝绝又难
苟且余残喘
[原文]
身を憂しと思ふに消えぬものなればかくても経ぬる世にこそ有りけれ
〔807〕
藤原直子[424]
渔夫割藻伤虫[425]
虫藻离分有哀鸣
岂非寻常情
[原文]
海人の刈る藻に住む虫のわれからと音をこそ泣かめ世をば恨みじ
〔808〕
因幡[426]
与君难相逢
愁思不解心忡忡
罗衣不解衣自松
[原文]
あひ見ぬも憂きもわが身の唐衣思ひ知らずも解くる紐かな
〔809〕
宽平帝后宫歌会时作
菅野忠臣[427]
知君薄情欲决绝
怎奈临别又难舍
哀哀双泪落
[原文]
つれなきを今は恋ひじと思へども心弱くも落つる涙か
〔810〕
无题
伊势
恋情若无人知晓
情绝纵然心寂寥
亦无闲言扰
[原文]
人知れず絶えなましかばわびつつもなき名ぞとだに言はましものを
〔811〕
佚名
君若相顾念
勿来我家求相见
我亦恐流言
[原文]
それをだに思ふこととてわが宿を見きとな言ひそ人の聞かくに
〔812〕
相逢已无望
每思前缘便成伤
方知此情长
[原文]
逢ふことのもはら絶えぬる時にこそ人の恋しきことも知りけれ
〔813〕
我心侘寂时
思及伊人泪恣肆
何以悲至此
[原文]
わびはつる時さへものの悲しきはいづこを偲ぶ涙なるらむ
〔814〕
藤原兴风
几多泪与恨
不知诉与谁人听
相伴唯有镜中影
[原文]
怨みても泣きても言はむかたぞなき鏡に見ゆる影ならずして
〔815〕
佚名
时已近黄昏
自拂空床叹己身
寂寂思远人
[原文]
夕されば人なき床をうち払ひ歎かむためとなれるわが身か
〔816〕
海浪逐身寂寞回
痴望海浦盼郎归
奈何空余悲
[原文]
わたつみのわが身越す波立返り海人の住むてふうらみつるかな
〔817〕
荒田耕又耕
与君反复续断情
终知人心冷
[原文]
荒小田をあら鋤き返しかへしても人の心を見てこそやまめ
〔818〕
海滩沙无数
但愿两情一如初
却似流沙留不住
[原文]
荒磯海の浜の真砂と頼めしは忘るることの数にぞありける
〔819〕
苇间无情雁
渐渺层云渐去远
留我独寂然
[原文]
葦辺より雲居をさしてゆく雁のいや遠ざかるわが身悲しも
〔820〕
秋雨枯叶已萧萧
人心已变誓言消
余我空寂寥
[原文]
しぐれつつもみづるよりも言の葉の心の秋にあふぞわびしき
〔821〕
秋来武藏野[428]
原野风起吹草叶
尽染枯黄色
[原文]
秋風の吹きと吹きぬる武蔵野はなべて草葉の色かはりけり
〔822〕
小野小町
秋风吹起稻谷黄
君生嫌厌我心伤
无依空惆怅
[原文]
秋風にあふ田の実こそ悲しけれわが身むなしくなりぬと思へば
〔823〕
平贞文
秋风吹起葛叶翻
叶翻表里皆可见
旧恨却依然
[原文]
秋風の吹きうらかへす葛の葉のうらみてもなほうらめしきかな
〔824〕
佚名
天凉方知秋已临
遭弃始知郎心狠
何以慰此心
[原文]
秋といへばよそにぞ聞きしあだ人の我をふるせる名にこそありけれ
〔825〕
宇治横桥中断裂
此身已被君忘却
经年音书绝
[原文]
忘らるる身を宇治橋のなか絶えて人もかよはぬ年ぞ経にける
〔826〕
坂上是则
愿能常相见
长柄桥[429]上两情牵
年年复年年
[原文]
逢ふ事を長柄の橋のながらへて恋ひわたる間に年ぞ経にける
〔827〕
此身终无依
愿如浮沫转瞬息
苟延有何益
[原文]
浮きながら消ぬる泡ともなりななむ流れてとだに頼まれぬ身は
〔828〕
可恨吉野川
阻断妹山与背山[430]
又来阻痴恋
[原文]
流れては妹背の山のなかに落つる吉野の河のよしや世の中
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